調光フィルムのデメリットとは?導入前に知っておきたい注意点と対策6つ

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調光フィルム-デメリット

調光フィルムは、電気によってガラスの透明・不透明を切り替えることができる機能性フィルムです。 オフィスの会議室や医療施設、ホテルなどで、プライバシー確保や空間演出のために導入されるケースが増えています。

ガラス空間の開放感を保ちながら、必要なときだけ目隠しができる点が大きな特徴ですが、導入を検討する際にはいくつかの注意点やデメリットもあります。

この記事では、調光フィルムの主なデメリットや注意点、設計時のポイントについてわかりやすく解説します。導入前に特徴を理解しておくことで、用途に合った適切な使い方を検討することができます。

調光フィルムのデメリット・注意点6つ

調光フィルムには多くのメリットがありますが、導入前に知っておきたい注意点もあります。
主なデメリット・注意点は次の6つです。

  • 1.電源がないと透明にならない
  • 2.完全な透明にはならない
  • 3.一般的なガラスフィルムより価格が高い
  • 4.施工サイズに制限がある
  • 5.長期間の使用で性能が変化する可能性がある
  • 6.屋外用途には向かない

ただし、これらのポイントは設計や用途によって十分に対応できる場合も多くあります。
ここからは、それぞれの内容と対策ポイントを解説します。

調光フィルム-電源

①電源・配線が必要(停電時は不透明)

調光フィルム(PDLC)は電気によって透明・不透明を切り替える仕組みになっています。

・電源ON → 透明

・電源OFF → 不透明

そのため、停電や電源トラブルが発生した場合にはガラスは不透明状態になります。

通常の会議室や打ち合わせスペースなどでは大きな問題になることは少ないですが、常に透明状態が必要な場所では注意が必要です。

また、調光フィルムを設置するためには以下の設備が必要になります。

・電源

・配線

・スイッチ(有線・ワイヤレスなど)

という仕組みになっています。

そのため、停電や電源トラブルが発生した場合にはガラスが不透明状態になります。通常の会議室用途などでは大きな問題になることは少ないですが、常に透明状態が必要な場所では注意が必要です。

設計ポイント

用途に合わせて透明・不透明の使い方を検討することが重要です。例えば以下のような場所では事前の検討が必要です。

・常に透明である必要があるガラス

・非常時の避難経路付近のガラス

会議室や診察室など「必要なときだけ目隠しする」用途であれば、大きな問題になるケースは多くありません。

また、配線については内装工事や間仕切り工事と同時に施工することで、きれいに納めることができます。

・間仕切りフレーム内部に配線する

・天井裏から電源を取る

・壁面にスイッチを設置する

内装設計の段階で計画しておくと、施工がスムーズになります。

 

②完全な透明にはならない

調光フィルムは透明・不透明を切り替えることができますが、ガラス本来の状態とまったく同じ「完全な透明」になるわけではありません。

調光フィルムはガラス面にフィルムを貼り付けて使用する製品のため、何も貼っていないガラスと比べると、わずかに透過率が下がる場合があります。また、フィルム構造の特性により、光が拡散することでわずかに白っぽく見える「ヘイズ」と呼ばれる現象が発生することがあります。

ヘイズとは、光が拡散することでガラス越しの景色がやや柔らかく見える現象のことです。調光フィルムではこの特性により、ガラス本来の透明感とは少し異なる見え方になる場合があります。

また、見る角度によって透明度の見え方が多少変わることがあります。正面から見た場合は比較的クリアに見えますが、斜め方向から見るとヘイズがやや強く感じられる場合があります。

ヘイズについては、以下の記事で詳しく解説しています。

調光フィルムのヘイズ(HAZE)とは?透明度の指標をわかりやすく解説 | 調光フィルム Kasmy(カスミィ)

設計ポイント

透明度の見え方は、ガラスの位置や照明環境によって印象が変わることがあります。そのため、設計段階で以下のような点を検討しておくと、より快適に使用することができます。

・ガラス越しに長距離の視線が抜けないレイアウトにする

・照明の反射や映り込みが少ない位置に設置する

・用途に応じてブラインドなどを併用する

こうした設計を行うことで、調光フィルムの特性を活かしながら快適な空間をつくることができます。

 

③価格が一般的なガラスフィルムより高い

調光フィルムは

  • 液晶材料
  • 透明電極
  • 電源装置

などの部材を使用するため、一般的なガラスフィルムより価格が高くなる傾向があります。

設計ポイント

調光フィルムは単なるフィルムではなく、空間演出機能を持ったガラス設備として考えることができます。

  • カーテン
  • ブラインド
  • パーテーション

などの設備と比較しながら検討することで、空間デザインを含めた評価が可能になります。

施工時の注意点について以下の記事で詳しく紹介しています。

初めてでもわかる調光フィルム導入ガイド|施工条件・電源・可動部まで専門業者が解説 | 調光フィルム Kasmy(カスミィ)

 

④施工サイズに制限がある

調光フィルムは製造サイズや電極構造の関係で、施工できるサイズに制限があります。 大きなガラス面では複数枚に分割して施工する場合があります。

設計ポイント

  • フィルムの最大サイズ
  • 分割施工の可否

などを事前に確認しておくことが重要です。

 

⑤長期間の使用で性能が変化する場合がある

調光フィルムは電子部材を含む製品のため、長期間使用すると透明度や不透明度などの性能が経年変化する場合があります。

また、使用環境や運用方法によっても製品への負荷は変わります。
例えば、長時間連続で電源ONの状態が続く使い方よりも、用途に応じて適切にON/OFFを切り替える運用の方が、製品への負荷を抑えられる場合があります。

設計ポイント

  • メーカーの製品保証
  • 施工会社の実績
  • メンテナンス体制
  • 使用環境や運用方法

信頼できる製品と施工体制を選ぶことで、長期間安心して使用することができます。

 

⑥屋外用途には向かない

調光フィルムは主に室内用途を想定した製品です。

  • 紫外線
  • 温度変化
  • 湿度

などの影響を受ける可能性があります。

そのため、オフィスのガラス間仕切りや医療施設、ホテル客室などの室内空間で採用されるケースが多くなっています。

設計ポイント

一般的には以下のような用途で採用されています。

  • オフィスのガラス間仕切り
  • 医療施設の室内ガラス
  • ホテル客室のガラス壁
  • 商業施設のガラスパーテーション

外窓など屋外環境に面したガラスに使用する場合は、施工条件や使用環境について事前に確認することが重要です。

調光フィルムの貼れる場所・貼れない場所にについて以下の記事で詳しく紹介しています。

調光フィルムの施工可能場所とは?貼れる場所・貼れない場所を解説 | 調光フィルム Kasmy(カスミィ)

調光フィルム-オフィス

ここまで、調光フィルムの主なデメリットや注意点を紹介しました。ここからは、調光フィルムの仕組みや特徴について簡単に解説します。

 

調光フィルムとは?仕組みを簡単に解説

調光フィルムとは、電気によってガラスの透明度を切り替えることができるフィルムです。

多くの調光フィルムには、PDLC(ポリマー分散型液晶)という技術が使われています。 この技術では、液晶分子の配列を電圧によって制御することで光の透過状態を変化させます。

・電源ON:液晶分子が整列 → 透明

・電源OFF:液晶分子が乱れる → 不透明(すりガラス状)

この仕組みによって、スイッチ操作で瞬時に透明・不透明を切り替えることができます。 ガラスの開放感を保ちながら、必要なときだけ目隠しができる点が特徴です。

瞬間調光フィルムについては以下の記事で詳しく紹介しています。

瞬間調光フィルムとは?仕組みや費用、活用事例まで詳しく解説

 

調光フィルムのメリット

  • ワンタッチで目隠しできる
  • ガラス空間の開放感を保てる
  • 可動部がなくメンテナンスが少ない
  • ホコリが溜まりにくく清潔に保てる

 

調光フィルムが向いている場所

  • オフィスの会議室
  • 医療施設の診察室
  • ホテル客室
  • 商業施設のショールーム

 

調光フィルムが向かない場所

  • 電源工事が難しい場所
  • 屋外用途
  • 水回りガラス

 

まとめ

調光フィルムには

  • 電源が必要
  • ガラスは完全に透明にはならない
  • 一般的なフィルムより価格が高い

 

といった注意点があります。

しかし、ガラスの透明・不透明を瞬時に切り替えられるという特徴から、オフィスや医療施設、ホテルなどさまざまな場所で活用されています。

導入を検討する際は、用途や設置環境に合わせて適切な設計を行うことが重要です。

調光フィルムの施工条件や仕様は、ガラスサイズや設置環境によって異なる場合があります。 導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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